トイレの給水管とは?破損するとどうなるの?
トイレの使用には、“給水管”という部品が不可欠です。
給水管を原因に水漏れが生じることもあるため、その構造を事前に押さえておくと、不具合が見られたときも適切に対処しやすくなります。
そこで本記事では、トイレの給水管の役割や仕組みを解説します。
破損した場合の対処方法も紹介しますので、「トラブルが起きても焦らないよう、事前に備えておきたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
トイレの給水管とはどういうもの?
トイレの給水管とは、公共の水道本管からトイレに水を供給している部品のことです。
水道局で処理された水をご自宅のトイレに届けるために、この給水管が備え付けられています。
なお、給水管はトイレのみに設置されているわけではありません。
キッチンや洗面所、浴室など、住宅内の水回りにそれぞれ配置されています。
トイレの給水管の役割
給水管の役割は、水道本管からトイレに適量の水を供給することです。
たとえばタンク式トイレの場合、給水管はトイレタンクにつながっており、タンク内の水量が一定に保たれるように水が供給されます。
トイレタンクがないタンクレストイレでは、便器の給水部分に給水管が取り付けられているため、タンクを経由せずに給水が行われます。
トイレの給水管が設置されている場所
トイレの給水管は、一般的には便器の後ろや横の壁、もしくは床から伸びた状態で設置されています。
タンク式トイレであれば、給水管が外に見える状態でタンク下部に接続されています。
これは“露出型”とよばれる設置方法で、水漏れや異常が起きても気づきやすく、修理や交換の手間もかかりにくい点がメリットです。
一方でタンクレストイレの場合は、壁や床の中に給水管を隠す、“隠蔽型”という設置方法を取るケースが多くみられます。
修理や交換の際に壁や床を外す必要がある点はデメリットですが、見た目がスッキリするため、デザイン性の高いトイレを実現できます。
トイレの給水管の仕組み
給水管は、主に次の5つの部品で構成されています。
給水管の主要な部品
- 止水栓
- 分岐水栓
- 接続管
- ナット
- パッキン
ここからは、それぞれの部品の役割を解説します。
止水栓
止水栓は、壁や床から給水管が出ている箇所付近に取り付けられています。
水道管からトイレへ供給される水の流れを止めたり、水量を調整したりする役割があるため、水漏れが発生しても、止水栓を閉めればトイレへの給水を止めることが可能です。
なお、止水栓の設置場所はトイレによって異なります。
タンク式トイレではタンクの後ろや横側の壁、床に設置されており、対してタンクレストイレの場合は、便器の側面のパネル内にあることが一般的です。
また温水洗浄便座(ウォシュレットやシャワートイレなど)は、トイレタンクや便器に給水するための止水栓とは別で、温水洗浄便座用の止水栓が取り付けられています。
止水栓を触る機会は少ないかもしれませんが、トイレの給水トラブルに備えて、役割と設置場所は事前に把握しておくと安心です。
分岐水栓
分岐水栓は、主に温水洗浄便座のあるトイレに取り付けられている部品です。
水道管から流れてくる水を、トイレタンクと温水洗浄便座のそれぞれに分けて供給するという役割があります。
多くのトイレでは、分岐水栓は止水栓の近くに設置されています。
トイレから水が漏れていた場合は、止水栓とあわせて分岐水栓に異常がないかどうかも確認するとよいでしょう。
接続管
水を供給するために、止水栓とトイレタンクや便器をつないでいる部品が接続管です。
昔は銅やステンレスなどで作られた接続管が広く使用されていましたが、近年はフレキ管(フレキシブル管)が主流となりつつあります。
フレキ管は加工性に優れており、金属製にもかかわらず手で折り曲げられるため、止水栓との接続が簡単に行える点が特徴です。
今後トイレの接続管を取り替える予定があれば、フレキ管を選ぶことをおすすめします。
ナット
トイレの給水管を構成する部品同士は、ボルトや小ねじを用いてナットで締めることで、連結されています。
給水管の接続部は、通常このようなかたちで固定されていますが、振動や温度変化によってナットが緩む場合があります。
その結果、接続部の固定が弱くなって水漏れが発生することがあるため、トラブルが起きたときにすぐ確認できるよう、ナットの位置は事前に把握しておきましょう。
パッキン
ナットと同様に、パッキンもトイレの給水管の接続部で使用される重要な部品です。
ゴムや合成樹脂などの柔らかい素材でできており、給水管を構成する部品のすき間を塞ぐ役割があります。
パッキンが劣化すると、水がにじみ出たり水圧によって少量ずつ漏れたりすることがあるため、定期的な点検が必要です。
異常が見られる場合は、給水管の接続部を外してパッキンを交換することで、水を止められるようになります。
トイレの給水管の寿命の目安
トイレの給水管の寿命は、材質や使用環境によっても差が生じますが、20年程度が目安だといわれています。
ただし、給水管に接続されている止水栓やパッキンなどの部品は、劣化が早いケースもあります。
水漏れや水圧低下などの異常が少しでも見られたら、被害が拡大しないよう、早めに水道修理業者に相談しましょう。
トイレの給水管が破損するとどうなる?
トイレの給水管の部品が破損すると、水漏れや給水不良といったトラブルが発生します。
軽度であれば水がにじむ程度ですが、破損が進行すると床に水が漏れたり、給水が止まらなくなったりするおそれがあります。
最終的に床材の腐食や階下への漏水などに発展し、事態が深刻化する可能性もあるため、早急な対処が必要です。
トイレの給水管の水漏れはどこで起こるのか
トイレの給水管から水漏れが起きている場合、主に以下の原因が考えられます。
トイレの給水管から水漏れが起こる主な原因
- 接続管が劣化している
- 接続部のナットが緩んでいる
- 接続部のパッキンが摩耗している
給水管を構成する部品のうち水漏れの主な原因となる部品は、接続管・ナット・パッキンの3つです。
これらの部品に異常が見られなかった場合は、止水栓または分岐水栓が故障している可能性があるため、あわせて確認しましょう。
トイレの給水管の水漏れを放置するリスク
トイレの給水管の水漏れは、前項の内容を参考に、原因を早急に突き止めたうえで対処することが大切です。
放置すると、次のようなリスクがあります。
トイレの給水管の水漏れを放置した場合に考えられるリスク
- リスク①水道代が上がる
- リスク②階下に被害が及ぶ
- リスク③カビが発生する
リスク①水道代が上がる
給水管から漏れている水は、放置すると継続的に流れつづけるため、水道代が跳ね上がる可能性があります。
たとえ水漏れが少量であっても、長期間続けば数千円から数万円単位の損失につながるでしょう。
特に、タンクレストイレのような給水管を確認しにくいトイレは、水漏れが起きていても気づけないケースが多くみられます。
水道代の明細は毎月チェックし、「普段より料金が高い」と感じた場合は、水漏れの可能性を疑って原因を突き止めることが重要です。
リスク②階下に被害が及ぶ
集合住宅にお住まいの場合は、階下の住戸への影響にも気を配らなくてはなりません。
給水管の水漏れを放置した結果、トイレの床下まで水が回ると、階下の住戸の天井にシミやクロスの剥がれといった被害をもたらすおそれがあります。
さらに、大規模な修繕が必要になったり階下の住人の家具や家電が故障したりすると、損害賠償を請求される事態も考えられます。
こうしたリスクを未然に防ぐためにも、給水管に異変を感じた段階で点検や修理を行いましょう。
リスク③カビが発生する
給水管の水漏れは、カビが発生する原因にもなりえます。
トイレの個室内は通気性が十分でないことが多く、水漏れが起きて床下や壁内部に湿気がこもった状態が長く続くと、カビの温床となってしまうためです。
カビが発生した場合、嫌なニオイが充満したり内装材が劣化したりするだけでなく、アレルギー症状が起こるといった健康面にも悪影響を及ぼすおそれがあります。
住環境を清潔に保つうえでも、給水管の水漏れは早急に対処することが重要です。
トイレの給水管の水漏れに気づいたときにまずすべきこと
トイレの給水管の水漏れを発見したときは早急に修理すべきですが、まずは水の供給を止め、そのうえで原因を特定する必要があります。
本項で、具体的にどのような行動を取ればよいのかを見ていきましょう。
止水栓を閉めて水の供給を止める
給水管への水の供給は、止水栓を閉めることで止まります。
原因を特定する、あるいは水道修理業者に対応してもらう場合には一定の時間がかかるため、まずは水を止めて事態の悪化を防ぎましょう。
なお、止水栓がすぐに見つからないときは、水道の元栓を閉めることでも水の供給は止められます。
トイレ以外の場所にも水が流れなくなる点には注意が必要ですが、一つの方法として覚えておくと安心です。
不具合が生じている箇所を特定する
止水栓を閉めるとトイレの水漏れも一時的に止まるため、給水管を構成する部品の点検を落ち着いて始められます。
点検の際は、最初に水漏れの主な原因となる接続管・ナット・パッキンを確認し、特に不具合が見られなければ止水栓と分岐水栓もチェックします。
破損または劣化している部品を発見して原因を特定できたあとは、それに合わせて後述する対処方法を試してみてください。
なお、ご自身で原因が見つけられない場合は、水道修理業者に依頼したほうがよいでしょう。
トイレの給水管の水漏れの対処方法
トイレの給水管から水が漏れている原因を特定したあとは、部品の修理や交換が必要です。
しかし、部品によってはご自身での対応が難しいケースもあるため、本項では次の3つの状況別に、ご自身で対処できるかどうかを紹介します。
トイレの給水管の修理が必要となる状況
- 接続管の破損が原因の場合
- ナットの緩みが原因の場合
- パッキンの劣化が原因の場合
あわせて、ご自身で対処する方法も詳しく解説します。
接続管の破損が原因の場合
接続管が破損して水が漏れている場合は、交換に専門的な知識や技術が必要となるため、ご自身での対応は推奨できません。
前述した方法で水の供給を止めたまま、水道修理業者に相談しましょう。
ナットの緩みが原因の場合
接続部のナットの緩みが原因で水が漏れているのであれば、ご自身で締めなおして修理できます。
ボルトの大きさに合ったレンチを用意し、ゆっくりと力をかけながら、少しずつ締めましょう。
一気に強い力を加えたり締めすぎたりすると、ナットや給水管の部品を傷つけてしまうおそれがあるため、力加減には注意が必要です。
パッキンの劣化が原因の場合
水漏れの原因が接続部のパッキンの摩耗である場合も、以下の手順でご自身での対応が可能です。
給水管のパッキンを交換する手順
- 手順①交換したいパッキンがある部分の下にバケツを置いて、ナットを緩める
- 手順②劣化したパッキンを取り外す
- 手順③新しいパッキンを取り付ける
- 手順④ナットを元通りに締めなおす
交換後は再び止水栓を開けて、水漏れが修理できているかどうかを確認しましょう。
トイレの給水管の水漏れ修理を水道修理業者に依頼したほうがよいケース
トイレの水漏れが発生した際、以下のケースに当てはまるのであれば、ご自身では対応せず水道修理業者に相談したほうがよいでしょう。
トイレの給水管の水漏れを水道修理業者に修理してもらったほうがよいケース
- ケース①原因がわからない
- ケース②修理に自信がない
- ケース③ご自身で対処しても水漏れが解消しない
ケース①原因がわからない
トイレの給水管から水漏れが起きているものの、どの部品に不具合があるのかを判断できない場合は、水道修理業者に依頼したほうが安心です。
原因がわからないまま無理に分解や修理を試みると、かえって水漏れを悪化させたり部品を壊したりしてしまうおそれがあります。
原因の特定が難しいと感じた時点で、水道修理業者にご相談ください。
ケース②修理に自信がない
ご自身での修理に自信がない方も、水道修理業者への依頼をおすすめします。
先述した通り、給水管のナットやパッキンに原因がある場合はご自身でも対応できますが、トイレの給水管の構造がわからないと戸惑ってしまうかもしれません。
その点、水道修理業者であれば、専門的な知識や技術、さらに専用工具も持っているため、迅速かつ的確に対処してもらえます。
ケース③ご自身で対処しても水漏れが解消しない
「原因を確認して対処してみたけれど、水漏れが直らない……」という場合も、水道修理業者への依頼をご検討ください。
これは、止水栓や分岐水栓の内部が損傷していたり、複数の原因が重なっていたりするなど、ご自身で対応できる範囲を超えている可能性が考えられるためです。
また、一時的に水漏れが止まったとしても、根本的な原因が解消されていないと再発することも考えられます。
修理を確実に行い、繰り返し作業する手間を減らすためにも、水道修理業者に依頼したほうがよいでしょう。
トイレの給水管の水漏れを再発させないためにできること
トイレの給水管の水漏れは、次の3つの方法を実践することで、再発を予防できます。
トイレの給水管の水漏れを防ぐ方法
- 方法①定期的に掃除をする
- 方法②換気をする
- 方法③不具合を放置せずに対応する
方法①定期的に掃除をする
給水管の水漏れを予防するには、こまめな掃除が不可欠です。
内部の掃除はご自身では難しいですが、外部の汚れは定期的に拭き取り、部品の劣化を防ぎましょう。
あわせて、便器内や床なども掃除し、トイレ内に汚れを蓄積させないことを心がけてください。
また掃除の際には、給水管の部品を目視で点検することも大切です。
水滴のにじみやサビなど、小さな異変にも早く気づけるため、水漏れの被害が広がる前に対処しやすくなります。
方法②換気をする
換気を行い、トイレ内に湿気を長時間溜めないことも、給水管の水漏れを予防する方法の一つです。
トイレ内に湿気がこもると、結露が発生してカビの繁殖が進み、給水管の部品に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に金属製の部品は、サビの発生により劣化が早くなってしまいます。
そのためトイレの使用後や掃除後は、窓やドアを開けて新鮮な空気を取り入れたり、換気扇を十分に回したりして、空気を入れ替えましょう。
方法③不具合を放置せずに対応する
給水管に異常が見られたときは、たとえ小さな水漏れであっても放置せずに早めに対応することが、被害の拡大や再発の防止につながります。
「被害が少ないから」と修理を先延ばしにした結果、水漏れが繰り返されると、床下や壁内部にも湿気が広がり、カビの発生や給水管の劣化が深刻化してしまいます。
給水管の異音や水滴のにじみ、サビなどの兆候に気づいたのであれば、すぐに原因を特定して対処することが大切です。
ご自身での対応が難しい場合は、速やかに水道修理業者への相談を検討しましょう。
このような早めの対応が、水漏れの悪化や再発を防ぐポイントです。
トイレの給水管の水漏れでお困りならとうきょう水道職人へ
トイレの給水管は、トイレを使用するために欠かせない部品です。
さらに細かい5つの部品から構成されており、どこかに不具合が生じると、水漏れが起きる原因にもなります。
万が一水漏れが起きた場合でも被害を最小限に抑えるには、給水管の構造を押さえたうえで、わずかな異常も見逃さないことが大切です。
もし「給水管に異常があるけれど、対処できない」「原因がわからない」とお困りであれば、とうきょう水道職人にお問い合わせください。
水道修理のプロが現場を確認し、給水管の状況に合わせて適切に処置いたします。
※本記事でご紹介している方法は、一般的な対処法の例です。
作業を行う際は、ご自身の状況や設備を確認のうえ、無理のない範囲で行ってください。
記事内容を参考に作業を行った結果生じた不具合やトラブルについては、当社では責任を負いかねます。
少しでも不安がある場合や、作業に自信がない場合は、無理をせず専門業者へ相談することをおすすめします。