マンションのトイレから急に下水のような臭いがしてきて、不快な思いをしていませんか？トイレの悪臭問題は生活の質を大きく下げるだけでなく、放置すると深刻なトラブルにつながりかねません。この記事では、マンション特有の下水臭の原因から、自分でできる対処法、専門業者への依頼まで、水道のプロが詳しく解説します。

マンションのトイレから下水の臭いがする原因とは？

マンションのトイレで下水臭が発生する原因は、戸建てとは異なる特有の問題があります。まずは原因を正しく把握することが、適切な対処への第一歩です。主な原因を詳しく見ていきましょう。

封水が減っている・なくなっている

トイレの便器内に溜まっている水を「封水」と呼びます。封水の主な役割は、下水管からの悪臭や害虫の侵入の防止です。

封水は気温や湿度の影響で1日あたり約1ミリずつ蒸発します。特に夏場は蒸発スピードが速く、1週間も使わないと完全に干上がってしまうことが少なくありません。

長期出張や帰省で部屋を空けた後に臭いが発生した場合は、まず封水切れを疑いましょう。賃貸マンションの内見時に嫌な臭いがするのも、空室期間が長くて封水が蒸発しているケースがほとんどです。

トイレのつまりによる水位低下

トイレットペーパーを大量に流したり、誤って異物を落としてしまったりすると、排水路がつまって水位が保てなくなります。

完全につまっていなくても、便器内に付着した汚れやペーパーが「毛細管現象」を起こし、少しずつ水を吸い上げて封水が減るのです。毛細管現象とは、細い管や繊維の隙間を水が重力に逆らって上昇する現象で、ティッシュペーパーが水を吸い上げるのと同じ原理です。

生理用品やペット用トイレ砂、子供のおもちゃなど、本来流してはいけないものがつまりの原因になることも多く、早急な対処が必要です。つまりが悪化すると、汚水が逆流する危険性もあります。

マンション特有の「誘導サイフォン作用」

高層マンションでは、上の階で大量の水を流すと、排水管内の圧力が急激に変化して下の階の封水が吸い込まれる現象が起こります。これを「誘導サイフォン作用」と呼びます。

朝の通勤時間帯や夜の入浴時間帯など、多くの住民が同時に水を使う時間帯に臭いが発生しやすいのはこのためです。

マンションの構造上避けられない問題で、特に築年数の経った物件では起きやすい傾向がありますが、適切な対策を取ることで臭いの発生を防げます。

便器まわりの汚れやカビの蓄積

便器の縁裏や床との接合部など、普段の掃除で見落としがちな場所に汚れが蓄積すると、強い悪臭の原因となります。

尿に含まれるアンモニアが固まった「尿石」は、通常の掃除では落としにくいため、細菌が繁殖して臭いがさらに悪化しやすいのです。

トイレタンクの内部も要注意です。タンク内は常に湿気があるためカビが発生しやすく、水を流すたびにカビ臭い水が便器に流れ込んでしまいます。定期的なタンク内清掃も忘れずに行いましょう。

床の排水口や通気管の不具合

古いマンションでは、トイレの床にタイル張りの排水口がある場合があります。この排水口の防臭ワンがずれていたり劣化していたりすると、下水の臭いが直接上がってきやすいです。

また、マンションの排水システムには通気管が設置されていますが、この通気管がつまったり破損したりすると、排水時の圧力調整ができず、封水が引き込まれてしまいます。

便器と床の接合部のパッキンが劣化している場合も、わずかな隙間から臭いが漏れ出すことがあるため、築10年以上のマンションではこうした設備の経年劣化にも注意が必要です。

下水臭を放置すると起こる深刻なトラブル

トイレの悪臭を「ただの臭い」と軽視して放置すると、思わぬトラブルに発展することがあります。早めの対処が重要な理由を理解しておきましょう。

害虫が侵入しやすくなる

封水が切れていると、下水管がむき出しの状態になり、ゴキブリや下水バエなどの害虫が室内に侵入する経路ができてしまいます。

特にゴキブリは下水管を通って移動することが多く、一度侵入を許すと駆除が困難です。アンモニア臭を好む害虫もいるため、汚れを放置していると害虫を呼び寄せることにもなりかねません。

マンションは隣接する部屋との距離が近いため、自室だけでなく周囲の住民にも迷惑をかける可能性があります。害虫の発生は衛生面だけでなく、近隣トラブルの原因にもなるのです。

健康被害のリスク

下水の臭いの主成分である硫化水素やメタンガスは、高濃度になると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

通常の生活環境で危険な濃度になることは稀ですが、慢性的に悪臭にさらされると頭痛や吐き気、食欲不振などの症状が現れることがあります。

特に小さなお子様や高齢者、呼吸器系の疾患をお持ちの方がいるご家庭では、悪臭による健康被害のリスクを抑えて快適な生活環境を維持するためにも、早めの対処が大切です。

床や壁への水漏れ被害

トイレのつまりが悪化すると、汚水が便器から溢れ出して床や壁に浸水する恐れがあります。

マンションの場合、階下への水漏れ被害は特に深刻です。自室の修理費用だけでなく、階下の住民への損害賠償責任も発生する可能性がある点に注意しましょう。

便器と床の接合部の不具合が原因の場合、見えない部分で少量ずつ水漏れが進行し、床材の腐食やカビの発生につながることもあります。早期発見・早期対処が被害を最小限に抑える鍵です。

今すぐ自分でできる！トイレの下水臭対策

下水臭に気づいたら、まずは自分でできる対策から始めてみましょう。多くの場合、以下の方法で臭いを改善できます。

まずは便器に水を足してみる

封水切れが原因なら、水を補充するだけで臭いが解消することがあります。バケツやペットボトルを使って、ゆっくりと水を注ぎ足しましょう。

勢いよく水を注ぐと、逆に封水が排水管に吸い込まれてしまうことがあるため、静かに少しずつ注ぐのがポイントです。

長期間家を空ける前には、あらかじめ多めに水を入れておき、便器のフタを閉めるかラップで覆っておくと蒸発を防げます。市販の封水蒸発防止剤を使用するのも効果的な方法です。

トイレ全体の徹底掃除で臭いを撃退

便器だけでなく、床や壁、トイレタンクまで徹底的に掃除することで、多くの悪臭問題が解決します。

便器の縁裏は特に汚れが溜まりやすい場所です。トイレ用洗剤をたっぷり使って、ブラシで念入りにこすり洗いしましょう。尿石がこびりついている場合は、クエン酸や専用の尿石除去剤を使用してください。

床や壁の下部も忘れずに拭き掃除を行います。男性が立って用を足す場合、目に見えない飛沫が広範囲に飛び散っているため、除菌シートなどで丁寧に拭き取ることが大切です。

トイレタンクの中も定期的に掃除しましょう。タンク用の洗浄剤を使用するか、中性洗剤を溶かした水でスポンジを使って優しく洗います。

つまりを解消する3つの方法

トイレのつまりが原因の場合、以下の3つの方法を順番に試してみましょう。

ラバーカップを使った解消法

最も一般的な方法は、ラバーカップ（すっぽん）を使ってつまりを解消する方法です。便器の排水口にカップを密着させ、ゆっくり押してから勢いよく引く動作を繰り返します。

洋式トイレの場合は、先端が細くなっているタイプのラバーカップを使用すると効果的です。水はねによる汚れを防ぐために、作業前には床に新聞紙を敷いておきましょう。

重曹とクエン酸を使った解消法

軽度のつまりなら、重曹とクエン酸の発泡作用を利用して解消できることがあります。

重曹を大さじ2〜3杯程度便器に入れ、その後クエン酸を同量加えます。40〜50度のぬるま湯をゆっくり注ぐと発泡が始まり、汚れを分解してくれます。30分〜1時間放置した後、水を流して確認しましょう。

お湯と洗剤を使った解消法

トイレットペーパーや排泄物によるつまりの場合は、お湯と食器用洗剤で柔らかくする方法も有効です。

40〜50度のぬるま湯（熱湯は便器を傷める恐れがあるため厳禁）に、食器用洗剤を少量混ぜて便器に注ぎます。30分程度放置すると、つまりの原因であるトイレットペーパーや排泄物が柔らかくなって流れやすくなります。

トイレタンクの部品をチェック

封水が常に少ない場合は、トイレタンク内の部品に不具合がある可能性も捨てきれません。

タンクのフタを開けて、補助水管がオーバーフロー管にきちんと差し込まれているか確認しましょう。この管が外れていると、便器への給水が不足して封水切れを起こします。

フロートバルブ（ゴムフロート）が劣化している場合も、水位調整がうまくいかなくなります。黒く変色していたり、触ると手に黒い汚れが付いたりする場合は交換時期です。

部品の交換は意外と簡単で、ホームセンターで購入した部品を使って自分で交換できることも多いです。ただし、作業前には水が溢れるのを防ぐために必ず止水栓を閉めてください。

ホームセンターで揃う！下水臭対策グッズ

トイレの下水臭対策に必要な道具や商品は、身近なホームセンターで手軽に購入できます。効果的なアイテムを紹介します。

つまり解消に必要な道具

ラバーカップは洋式用と和式用があり、便器の形状に合わせて選ぶことが重要です。1,000円〜2,000円程度で購入できます。

ワイヤーブラシ（トーラー）は、ラバーカップで解消できない奥のつまりに効果的です。3,000円〜5,000円程度で、長さや太さの種類も豊富に揃っています。

高圧ポンプ式のつまり解消器具は、より強力につまりを押し流せます。5,000円〜10,000円程度と少し高価ですが、頻繁につまりが起こる場合は一つ持っておくと便利です。

掃除・消臭に効果的なアイテム

尿石除去剤は、頑固な尿石を溶かして落とす強力な洗剤です。サンポールなどの酸性洗剤が代表的で、500円〜1,000円程度で購入できます。

トイレタンク用洗浄剤は、タンク内のカビや汚れを除去する洗剤です。錠剤タイプなら入れるだけで簡単に掃除できます。1箱500円〜800円程度です。

除菌・消臭スプレーは、掃除後の仕上げに使用すると効果的です。アンモニア臭に特化したタイプを選ぶと、より高い消臭効果が期待できるでしょう。

封水の蒸発を防ぐ便利グッズ

封水蒸発防止剤は、封水に入れることで水の蒸発を抑える薬剤です。長期不在時に使用すると、封水切れを防げます。1,000円〜2,000円程度で購入可能です。

トイレ用ラップフィルムは、便器を密封して蒸発を防ぐアイテムです。繰り返し使用できるタイプを選ぶと経済的です。

便器用の防臭キャップは、排水管との接続部分に取り付けて臭い漏れを防ぎます。古いマンションで接合部の劣化が気になる場合に有効です。

東京都でおすすめのホームセンター

ＤＣＭ大井競馬場前店住所：東京都品川区勝島1-6-16

営業時間：月～土10:00～21:00  日9:30〜21:00

品川区最大級の売り場面積を誇る大型店舗。水回り専門のスタッフが常駐しており、トイレトラブルの相談にも親身に対応してくれます。無料の工具レンタルサービスもあり便利です。

コーナン本羽田萩中店

住所：東京都大田区本羽田2-3-1

営業時間：9:00〜21:00

DIY用品から日用品まで幅広く取り扱い。トイレ関連商品も種類豊富で、価格もリーズナブル。プロ向けの専門的な工具も揃っています。

カインズ青梅インター店

住所：東京都青梅市新町6-9-4

営業時間：資材館　月〜土8:00〜20:00 日9:00〜20:00

オリジナル商品が多く、コストパフォーマンスに優れた商品が見つかります。トイレ掃除用品の品揃えも充実しており、初心者向けの使い方説明も丁寧です。

ビバホーム豊洲店

住所：東京都江東区豊洲3-4-8

営業時間：資材館　6:30〜21:00

都心部にありながら売り場面積が広く、ゆったりと買い物できます。水回りのトラブル対応商品が一箇所にまとまっており、選びやすいレイアウトです。

自分で解決できない時はどうする？

自分で対処しても改善しない場合や、そもそも原因が特定できない場合は、専門家の力を借りましょう。適切な相談先と依頼のタイミングを解説します。

マンションの管理会社・大家さんに相談すべきケース

マンション全体の設備に問題がある場合は、まず管理会社や大家さんに相談しましょう。

通気管の不具合や排水管の破損など、共用部分のトラブルは個人で修理する必要はありません。他の住民からも同様の苦情が出ている可能性もあるため、管理側で調査・対応してもらえます。

賃貸の場合、設備の経年劣化による不具合は基本的に貸主負担での修理となります。ただし、入居者の過失による故障は自己負担になることもあるため、契約内容を確認しておくことが重要です。

相談する際は、いつから臭いがするのか、どんな状況で発生するのかを具体的に伝えると、原因究明がスムーズに進みます。

水道修理業者に依頼するタイミング

早めに専門業者に依頼すべきなのは、以下のような状況です。

自分でつまり解消を試みても改善しない場合は、無理に続けると便器や配管を傷める恐れがあります。特に固形物を流してしまった場合は、専門の器具がないと除去が困難です。

封水が常になくなってしまう場合も、構造的な問題の可能性が高いため、プロの診断が必要です。自己サイフォン作用や配管の設計ミスなどは、専門知識がないと対処できません。

便器と床の接合部から臭いが漏れている場合は、パッキンの交換や便器の再設置が必要なこともあります。この作業は便器の脱着などの専門技術が必要なため、基本的には素人が行うのは避けてください。

トイレのトラブルは「とうきょう水道職人」へ

マンションのトイレの下水臭でお困りの際は、「とうきょう水道職人」にお任せください。東京都内を中心に、確かな技術と信頼でお客様のトラブルを解決します。24時間365日受付対応しているため、急なトラブルでも安心です。年末年始やお盆期間中も変わらずサービスを提供しており、最短30分から1時間ほどで現地へ訪問可能です。

作業前には必ず詳細な見積もりを提示し、お客様が納得された上で修理を開始します。料金体系も明確で、トイレのつまり除去は8,800円〜、パッキン交換は5,500円〜（出張料3,300円込み）です。高品質なサービスを適正価格で提供することを心がけており、専門の技術者が最新の技術で適切な修理を行います。支払い方法も現金、クレジットカード、銀行振込、QRコード決済、コンビニ支払いなど多様な方法から選択できるため、急な出費でも安心です。

マンションのトイレの下水臭でお困りの際は、一人で悩まずに「とうきょう水道職人」までお気軽にご相談ください。