トイレットペーパーでトイレがつまってしまったとき、慌ててしまいがちですが、原因を理解して適切に対処すれば多くの場合は自分で解決できます。本記事では、つまりの原因から具体的な解消方法、専門業者への依頼が必要なケースまで、わかりやすく解説します。

トイレットペーパーでトイレがつまる原因とは？

トイレットペーパーは水に溶けるよう作られているはずなのに、なぜつまってしまうのでしょうか。実は、使い方や環境によってつまりが発生しやすくなることがあります。主な原因を理解し、今後の予防に役立てましょう。

一度に大量のトイレットペーパーを流した

トイレのつまりで最も多いのが、一度に大量のトイレットペーパーを流してしまうケースです。特に大便時は、つい多めに使ってしまいがちですが、水に溶けるといっても限界があります。

何重にも折りたたんだり、長いロール状のまま流したりすると、便器内部で塊になって溶けきらず、排水口を塞いでしまいます。一般的に、大便時のトイレットペーパー使用量の目安は150～200cm程度です。

これを超える量を使用する場合は、何回かに分けて流しましょう。また、ウォシュレットを活用すれば、トイレットペーパーの使用量を大幅に減らすことができるため、つまり予防に効果的です。

節水で流す水の量が少なすぎる

環境への配慮や水道代の節約を考えて節水をすることは良いことですが、過度な節水はトイレつまりの原因になります。大便時に「小」レバーで流したり、タンク内にペットボトルを入れて水量を減らしたりすると、紙や汚物を押し流すのに十分な水量が確保できません。

トイレの設計上、「大」と「小」にはそれぞれ必要な水量が計算されています。大便やトイレットペーパーを多く使用したときは、必ず「大」レバーを使用してください。

節水型トイレの場合でも、メーカーが推奨する使い方を守ることで、つまりを防ぎながら節水効果を得られます。

排水管の汚れが蓄積している

築年数が経過した建物や、長期間メンテナンスをしていないトイレでは、排水管内部に汚れが蓄積していることが多いです。尿石や水垢、過去に流した小さな異物などが徐々に堆積すると、管内が狭くなっています。

このような状態では、少量のトイレットペーパーでも引っかかりやすくなり、頻繁につまりが発生します。特に、節水も紙の大量使用もしていないのにつまりが繰り返される場合は、排水管の問題を疑いましょう。

定期的な清掃や、場合によっては高圧洗浄などの専門的なメンテナンスが必要になるかもしれません。

トイレットペーパーがつまったときに起こるトラブル

トイレのつまりを放置したり、誤った対処をしたりすると、思わぬトラブルに発展することがあります。つまりが引き起こす可能性のあるトラブルについて解説します。

水位が上がって便器から溢れる危険性

トイレがつまった状態で何度もレバーを回して水を流すと、行き場を失った水が便器内に溜まり続け、最終的には便器から溢れ出してしまう危険があります。汚水が床に広がれば、床材を傷めるだけでなく、衛生面でも大きな問題です。

特にマンションやアパートなどの集合住宅では、階下への漏水事故につながる可能性もあるため、つまりに気づいたら決してむやみに水を流さないことが鉄則です。

まずは落ち着いて状況を確認し、水位が高い場合は容器などで汲み出してから対処しましょう。

下水の悪臭が室内に充満する

通常、便器内には「封水」と呼ばれる水が常に溜まっており、下水からの悪臭や害虫の侵入を防ぐ役割を果たしています。しかし、トイレがつまると封水の水位が下がったり、つまったトイレットペーパーを伝って水が流れ出たりしやすいです。

封水切れが起こると、下水の悪臭がトイレ室内に上がってきて、ドブ臭や腐敗臭がトイレ内に充満します。また、汚物が流れずに留まっている状態が続けば、細菌やカビの繁殖にもつながり、衛生面でも問題といえるでしょう。

悪臭は生活の質を著しく低下させるため、早急な対処が必要です。

放置すると排水管の損傷につながる

軽度のつまりだからといって放置し続けていると、つまりがさらに悪化して広範囲に及ぶ可能性があります。つまった部分に圧力がかかり続けることで、排水管の接続部分に負担がかかり、最悪の場合は管の破裂につながるのです。

また、つまりが固着してしまうと、市販の道具では取り除けなくなり、便器を取り外すような大掛かりな修理になりかねません。便器の脱着作業は専門的な技術を要し、費用も高額になりがちです。

初期の段階で適切に対処すれば簡単に解決できることも、放置によって深刻な問題に発展する可能性があることを理解しておきましょう。

今すぐできる！トイレットペーパーつまりの解消法

トイレットペーパーによるつまりは、水に溶ける性質を利用すれば比較的解消しやすいトラブルです。自宅ですぐに試せる基本的な解消方法を順番に紹介します。

まずは30分～1時間放置してみる

つまりの原因が少量のトイレットペーパーだけの場合、時間をおくことで自然に溶けて流れる可能性があります。慌てて何度も水を流すよりも、まずは30分から1時間程度そのまま様子を見てみましょう。

ただし、長時間待てば良いというものではありません。1時間経過しても水位に変化がない場合は、他の方法に切り替える必要があります。時間に余裕がある場合は、放置中に台所用の中性洗剤をコップ1杯程度（約100cc）便器に注いでおくと、洗剤の界面活性剤の効果で紙が溶けやすくなります。

水位が徐々にでも下がっていく様子が見られれば、つまりが解消に向かっている証拠です。完全に水位が正常に戻ったら、少量の水を流して確認してみましょう。

ぬるま湯と食器用洗剤でつまりを溶かす

放置だけでは解消しない場合、ぬるま湯と食器用洗剤を組み合わせた方法が効果的です。お湯の温度でトイレットペーパーがふやけやすくなり、洗剤の成分が紙の繊維を分解する助けとなります。

まず、便器内の水をできるだけ汲み出して水位を下げましょう。次に、40～60℃程度のぬるま湯を用意し、食器用洗剤を約100ml便器に注ぎ入れた後、ぬるま湯を高い位置からゆっくりと注ぎ、20～30分ほど放置します。

注意点として、熱湯は絶対に使用しないでください。陶器製の便器は急激な温度変化に弱く、100℃近い熱湯を注ぐと割れてしまう危険があります。必ず手で触れられる程度の温度に冷ましてから使用しましょう。

ラバーカップ（スッポン）でつまりを取り除く

ラバーカップは最も一般的なトイレつまり解消道具です。正しく使用すれば、多くのつまりを解消できる頼もしいアイテムです。使用前に、カップ部分が完全に水に浸かる程度の水量があることを確認してください。

ラバーカップを排水口に対して垂直に密着させ、隙間ができないようにします。ゆっくりと押し込んでカップを凹ませた後、勢いよく引き上げてください。この「押して引く」動作を繰り返すことで、吸引力によりつまりを引き戻して解きほぐします。

「ゴボッ」という音がして水位が急に下がれば、つまりが取れた合図です。その後、少量の水を流して正常に流れることを確認しましょう。洋式用と和式用でカップの形状が異なるため、購入時は自宅のトイレに合ったものを選ぶことが大切です。

つまり解消グッズが買える東京都内のホームセンター

トイレつまりの対処に必要な道具は、ホームセンターで購入できます。東京都内にある大型ホームセンターをいくつか紹介しますので、緊急時の参考にしてください。

ジョイフル本田 瑞穂店

住所：東京都西多摩郡瑞穂町殿ヶ谷442

営業時間：9:00～20:00

東京都内最大級の売場面積を誇り、プロ向け資材から日用品まで幅広い商品が揃っています。フードコートやガソリンスタンドも併設されており、家族で1日楽しめる体験型店舗です。

スーパービバホーム 豊洲店

住所：東京都江東区豊洲3-4-8

営業時間：資材館　6:30～21:00

早朝6:30から営業しているため、緊急の買い出しにも対応できます。豊洲駅から徒歩4分の好立地で、園芸用品からDIY素材まで多彩な商品が揃っています。

カインズ 青梅インター店

住所：東京都青梅市新町6-9-4

営業時間：資材館　月〜土8:00〜20:00 日9:00～20:00

プロ仕様の資材館「カインズプロ」も併設された大型店舗です。300台以上停められる駐車場を備え、車でのアクセスが便利です。

カインズ 昭島店

住所：東京都昭島市つつじが丘2-8-55

営業時間：9:00～20:00

昭島駅から徒歩10分の立地で、2階建ての広々とした店内が特徴です。同じ建物内にスーパーや100円ショップも入っており、日常の買い物にも便利です。

島忠 ホームズ葛西店

住所：東京都江戸川区東葛西9-3-6

営業時間：7:00～21:00

朝7時から夜21時まで営業しており、仕事前後の買い物にも利用しやすい店舗です。スーパーやペットショップなど多数の専門店が併設されています。

身近な道具を使った対処法

ラバーカップが手元にない場合でも、家にある身近な道具を使ってトイレつまりを解消する方法があります。軽度のつまりであれば、これらの方法でも十分に効果が期待できるでしょう。

ビニール袋を使った簡易ラバーカップの作り方

大きめの丈夫なビニール袋とゴム手袋があれば、自分の手を使って簡易的なラバーカップを作れます。まず、ゴム手袋を肘まで装着し、その上から大きなビニール袋で腕全体を覆います。袋の口は輪ゴムなどでしっかりと縛り、水が入らないようにします。

この状態で拳を作り、便器の排水口に押し当てて上下に動かします。拳がラバーカップの代わりとなり、押し引きすることでつまりを吸引・押し流す効果が得られるのです。何度か繰り返して「ゴボッ」という音がすれば成功です。

使用後はビニール袋ごと廃棄できるため、衛生的にも安心です。ただし、腕を便器内に入れることになるため、十分に衛生面に配慮し、怪我がないよう慎重に作業を行ってください。

ペットボトルでつまりを押し流す方法

2リットルサイズの大型ペットボトルを使った方法も効果的です。ペットボトルの底を切り取り、キャップはしっかりと閉めた状態で使用します。切り取った底面を排水口に当て、上下に押し引きし、ペットボトル内の空気圧を利用してつまりを解消する方法です。

ペットボトルは持ち手部分が細いため、排水口に差し込みやすく、底面から勢いよく水を押し出せます。切り口で便器を傷つけないよう、タオルを巻いて保護すると安心です。

この方法は、ラバーカップと同様の原理を利用しており、軽度の紙つまりであれば十分に解消できるでしょう。使用後のペットボトルは廃棄できるため、後処理も簡単です。

サランラップで空気圧を利用する裏ワザ

キッチン用のサランラップを使った、ユニークなつまり解消法もあります。便座とフタを上げ、便器の縁全体を覆うように何重にもラップを貼り付けてください。隙間なくピッタリと張ることがポイントです。

ラップが張れたら、中央部分を手で押したり引いたりして、ラップをたわませます。これにより、ラップ膜がポンプの役割を果たし、空気圧の変化でつまりを押し流せるのです。勢いよく押すとラップが破れる恐れがあるため、じわっと押しては離す動作を繰り返しましょう。

手を汚さずに作業できる利点がありますが、ラップを大量に消費するため、コストパフォーマンスは良くありません。しかし、他に道具がない緊急時には試してみる価値があります。

こんなときは無理せず専門業者に相談を

自分で対処を試みても改善しない場合や、そもそも原因がはっきりしない場合は、無理をせず専門業者に相談することが大切です。業者への依頼を検討すべきケースについて解説します。

自力で解消できないつまりとは？

以下のような状況では、自力での解消は困難であり、専門業者への依頼を検討すべきです。

まず、複数の方法を試しても水位が全く下がらない場合です。つまりが奥深くにあったり、固着してしまったりしている可能性があります。また、トイレットペーパー以外の異物（おもちゃ、生理用品、携帯電話など）が原因の場合は、専門的な器具や技術が必要です。

頻繁につまりが繰り返される場合は、排水管内部に問題がある可能性があります。根本的な解決には高圧洗浄や配管の点検が必要です。

さらに、便器から異音がする、水が逆流してくる、複数の排水口から同時に異常が発生するなどの症状がある場合は、建物全体の排水システムに問題がある可能性が高いでしょう。早急に専門業者に相談すべきです。

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